のらりくらりと

バンドやったり、調査やったり、統計やったり

RE DISTORTION

完全にブログを放置しており、この放置していた間にいろんなことがあったのだが、それをまた記載するほど余裕もないけれど、やはりブログという形で文章を書いていく、すなわち継続していくことが重要かなと思うので、少しずつでも書いていこうと思う。

 

今回は最初の方に書いていたCDレビューでもしてみる。

 

好きなバンドは?という質問に対して、割と色々聞いているので、簡単には答えられない。そのため僕は好きなバンドは?という質問が大嫌いなのだが(そういう問いに対しては年齢層に合わせて回答を変えている)、自分でバンドやって、曲作ってという営みを行う中で、本当にすごいなと思う人は何人かいる。

 

その一人が山田亮一である。

この高度情報化社会において少しググればそんなもんはすぐに出てくるのだろうが、簡単に説明すると、ハヌマーンというバンドで売れそうになったけど、解散、現在、バズマザーズというバンドをやっている人だ。

 

この人の書く歌詞がもう常人の頭では思いつくものではなく、うまいな、すごいなという月並みの言葉しか出ないくらいものすごいのである。

 

その山田亮一と初めて出会ったアルバムがRE DISTORTIONというアルバム。これはハヌマーンのほぼ最後(最後は限定生産でもう今はプレミア)のアルバムだが、僕がこのアルバムに出会ったときはすでにハヌマーンは活動休止中で、解散という2文字をただファンは待つのみという状況だったんだと思う。

 

当時、大学4年生だったと思うのだが、僕は音楽好きの友人に、「なんか鬱屈とした気分をぶっ飛ばしたいからナンバガみたいなバンド教えて」という相当中二病、いや大二病を患った節操もない質問をしたことがあった。

 

その友人が教えてくれたのがハヌマーンだった。

 

とりあえず部活帰りでもなくバイト帰りに駅前でもない国道沿いのTUTAYAさんに行って、一枚だけあったこのRE DISTORTIONを借りてみたのである。

このアルバム、後々、レンタルではなく購入し、ヘビロテしてしまう運命にあるのだが、正直、曲順が良くなかった。

最初の曲がNice to meet youという山田亮一がしっとりと歌い上げる鬱屈としたバラード(?)なのだが、当時の僕は、聞いた瞬間、またウィスパーボイスの湿っぽい系バンドかよと思ってしまい、停止ボタンを押してしまった。

当時、インディーズシーンでもメジャーシーンでもウィスパーボイスの湿っぽいバンドが多く、そういうのが嫌で嫌で、レディオヘッド大好きだけど、ポストロック全盛期の感じが嫌いという意味不明な僕にとっては、これ以上聞いても無駄かなと思わせるには十分なウィスパーボイスだった。この曲くらいじゃね?あんな湿っぽいウィスパーボイスを山田亮一が出してんのは。でもここで一つ一応補記しておくと、この曲が嫌いというわけではなく、このアルバムの最初には必要不可欠で、ハヌマーンの後期の世界観を表現する良い曲だと思うよ、本当に。

 

そんなこんなで、2日くらい放置という感じだったんだが、友達とドライブしているときに、聞く曲もなくなって、そうそうまたウィスパーボイスの湿っぽい流行っぽいの見つけたぜ的な感じで流してみた。そのときたまたま、友人が間違えて曲送りをしたおかげで、多分今でも一番好きな部類に入るFever Believer Feedbackが流れて来たのである。

 

MDとってもイヤホンとってもなんでか全然鳴りやまねぇという衝撃。

 

とりあえずこれ

www.youtube.com

 

どうやったら思いつくんだというちょっと浮遊感がありながらもキレキレのギターリフ

 

当時パンチンカスだった僕の心をえぐる歌詞

 

なんでサビ、コードじゃかじゃか鳴らさんねんという感じ

 

あくまで自分はモラリストみたいな顔して、話は騒音で聞こえもしないのにうなずいて笑う

みたいな歌詞、書けんよ。歌詞カード見ながらじゃないから誤字あったらごめん。

 

全部の曲書いてると長くなりそうだから端折るけど、

 

ワンナイト・アルカホリックもかなりパンチ効いてる

 

はじめ聞いたときは、なんじゃこれ?という感じだったのだが、

ここまで若者のくずさを表現している曲もないんじゃね?という曲

なによりも「ワンナイト・アルカホリック」というタイトルが素晴らしい

一晩だけのアルコール中毒

なんやねんこのネーミングセンス

個人的に僕は曲や歌詞を書くのはすごい気合い入れるのだが、曲名となるとどうでもよくなる病を患っているのだが、ワンナイト・アルカホリックを聴くたびにちゃんとタイトル付けないとなと思う

 

そして最後のリボルバーが心を何回えぐるねんというレベル

 

そういちいち怒鳴るなって 誰だって誰かを殺したい

言う?武闘派に遭遇して同じように言う?

 

この2行で次元の違いが見せつけられる

 

一行目でもうそうだよなと共感し、二行目で自分の浅はかさを知る

そういう言葉のギミックがこのころの山田亮一の歌詞には満載なのである

 

死んでしまうということはとても恐ろしい

明日を真っ当に生きる事の次に恐ろしい

 

死ぬことなんて実感がない若いときにしか感じられないこの感じをここまで表現できる人もいないと僕は思うのある

 

そんな感じで、キレキレのギターリフとキレキレのリリックが詰まりまくったRE DISTORTIONというアルバム

 

CDは高騰してるみたいだけど、MP3の方は普通に買えるのでおすすめ